最新の記事
カテゴリ
タグ
記事ランキング
お気に入りブログ
以前の記事
2020年 09月 2018年 02月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2015年 02月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 検索
その他のジャンル
ブログジャンル
画像一覧
|
” 次に月蝕を見たとき、わたしが思い出したのはシェリーであって天文学の本ではなかった。地球のピラミッド状の影が月の正面を横切り、円錐形の夜を描いた。夜はそれ以来、前と同じではなくなった。今や夜は形を持ったのだ。それは知ることと見ることとのちがいである。禅に、ある男の物語がある。その男は若かりし頃、木を木として、風を風として、月を月として見ていた。しだいに年齢を重ねてくると、彼は、なぜ木は現在のように育つのか、なぜ風は四方から吹いてくるのか、なぜ月は満ち欠けするのか、疑問に思い始めた。見るもの聞くもののすべてが疑問を投げかけた。そして彼の時間はすべて、その答えを求めることに費やされた。ところがやがて、またしても木が木であり、風が風であり、月が月であるときがやってきた。シェリーを読んだ後、わたしは月の蝕を見つめた。月は地球の赤い影の中に滑り込んできた。一瞬、月は仏の丸い赤ら顔を見せ、夜のピラミッドの中に泰然自若としていた。ところが一瞬の後、それは単なる月にすぎなかった。” (チェット・レイモ 「夜の魂 天文学逍遥」 山下知夫訳 工作舎) 画用紙、鉛筆、墨、455×535mm
by atelier-poeta
| 2009-09-21 00:05
| のようなもの
|
ファン申請 |
||