以前ゴホンダイコクコガネと馬糞玉の模型を作ったことがある。
彼らは幼虫の餌にするために巣穴に糞を運び込む、草原の掃除屋なのだ。
牧場に行った時に地面を眺めてみたりしたのだが、ファーブル昆虫記で有名な聖たまこがねのように「フンコロガシ」をする種類は日本にはほとんどいないことを後で知り、ちょっとがっかりした。
帽子掛けのデザインを考えていた時、ふとこの小さな虫を思い出した。
助け合い、競い合い、目の前の糧を一所懸命こねているうちに、いつの間にか空の高みにいるのかも知れない。
「耕至天」ならぬ「転至天」。
木、金属、H310mm